日本労働評議会 高知県本部

副学長がパワハラ!東北大の特任助教からの労働相談

労評宮城県本部の活動を報告します。


発端は嘘の求人。研究職として雇ったのに研究をさせない!?

20194月、Tさんは、東北大が主幹大学をつとめるEarth on Edge (EoE)プロジェクトの“特任助教(研究)”として採用されました。東北大の特任助教には、主に担う業務によって、“研究”“運営”“教育”という3種類の雇用形態があり、Tさんは研究職を希望していたため、この求人に応募することにしたのです。

 

しかし、実際に指示された業務は運営業務がほぼ全てで、研究をすることはできませんでした。

 

研究の時間がとれないことは、Tさんにとって大きな意味があります。

まず、Tさんは研究者として、EoEの中でキャリアを積もうと考えていたのにそれが叶わなくなりました。だからと言ってすぐ辞めれば経歴に傷がつき、また、専門が細かく分かれている研究キャリアの特殊性から、辞めたところで自分に合致する求人はそうそう見つかりません。Tさんが研究者としてやっていく上では、今回の件が大きな時間のロスになり、将来設計を狂わせてしまいました。

ほかにも、Tさんが代表研究者(責任者)となっている科研費研究(研究者の自由な発想に基づき日本学術振興会から競争的資金を獲得してなされる研究)にあてる時間がとれず、研究者としての信頼を失う危機にも直面しました。

 

しかも、のちに副学長の発言から明らかになったことですが、“特任助教(研究)”として雇ったのは意図的なものでした。“特任助教(教育)” “特任助教(運営)”には裁量労働制が適用されないのに対し、“特任助教(研究)”の場合、裁量労働制が適用され残業代を払わずに済むからと、あえてこのような求人にしていたのです。まさに若手研究者を物として扱い、その未来を潰す行為です。

 

この契約の問題は、明らかな違法行為であり、一般的に言っても許されることではありませんが、それに加えて、まだ若い研究者であるTさんにとっては、研究者としてのキャリアや生命がかかった重大な問題とも言えます。

 

契約違反を指摘するとパワハラが始まる。Tさんは適応障害を発症。

 Tさんは、副学長はじめ、上司に対して、業務内容が契約と違うことを何度も指摘しました。

 

すると、複数の上司から、「君は研究職じゃない。」と契約内容を無視したうえで「スペック合わなければさよならも言える。」と解雇を示唆されたり、「(今の職のままでは)事務補佐員的な仕事になっちゃうんだよ。研究者としての実績が残せなくなっちゃう。」「だからそうなったときに研究者として非常にネガティブだよなと思ったんで。」「今の仕事そのまま続けたほうがいいか悪いか。」と退職勧奨をされたり、ということが頻繁に起こるようになっていきました。

 

その中でTさんは大きなストレスを感じ、心身にも不調をきたすようなり、適応障害まで発症してしまいました。副学長からのメールを開こうとするだけで動悸がしたり、夜も眠れませんでした。

 

Tさんの研究を妨害する副学長

 2020年2月、Tさんは、東北大内の教職員組合での団体交渉を行い、ようやく、研究職として働くことを上司に認めさせることができました。その頃には任期3年のうち、1年が経とうとしていました。

 

 すると、今度は、提出した研究計画がEoEプロジェクトの趣旨とずれているとして、研究計画を副学長が受理しないということが起きました。Tさんは何度も直して提出しましたが、不受理が続きました。

 

さらに研究進捗レポートの提出も催促されるようになりました。計画書が受理されないうちにレポートの提出とはどういうことでしょうか?しかし提出しないでいると、仕事をさぼっているような扱いをうけるため、Tさんは、自分なりに研究を進め、レポートを提出しました。しかしこれもずれているとして不受理。どこがずれているのか聞いても教えてくれず、Tさんが自分なりに直して提出しても不受理の連続で、研究を進めたくても進められないTさんは先が見えず、さらに追い込まれていきました。理する気がない計画書やレポートを何度も提出させ続ける理由は、悪意以外に考えられるでしょうか?

 

さらに追い打ちをかけるように、副学長は、レポートを提出しないことを理由として、Tさんを懲戒委員会にかけました。Tさんは、懲戒委員会の場で、上司からハラスメントを受け続けてきたことやレポートを提出しても受け取ってもらえなかったことなど事情を説明しましたが、考慮されず、厳重注意という処分を受けることとなりました。

 

労評はTさんの受けてきた数々のハラスメントと闘っていきます!

 副学長のハラスメントは、雇用契約違反から始まり、労働力として思い通りに使えないとなると退職勧奨というパワハラをし、それが上手くいかないと陰湿な方法で研究を妨害するアカハラをし、最終的には懲戒委員会で厳重注意の処分までおこなってきました。

今回の件でTさんが厳重注意を受けるのはおかしな話であり、本当に公正な調査や審議が行われたのか疑問です。この件も、優位な立場を利用したパワハラと言えるかもしれません。

 

 一連のパワハラには複数の上司が関わっていますが、その中心と言えるのは、現在の副学長(2019年当時は研究科長)です。Tさんの入職からの経緯を見るだけでも、副学長が、使用者と労働者、副学長と特任助教、という立場の差や権力を利用して、若手研究者を良いように使おうとしているのが見えます。

 

 このような環境では、Tさんのように社会のために研究をしたいと考える研究者がつぶされていってしまうのであり、労評としては、この状況を許すことはできません。研究者の方が活き活きと研究することができる環境をつくるためにも、Tさんとこの問題に一緒に取り組んでいきます。



【労評QB分会】組合だよりVol.4

労評神奈川県本部で取り組んでいるQB分会の活動を報告します。

 

第5回団体交渉で不正を認めつつも、責任逃れする古川マネージャー

6月6日に5回目の団体交渉が行われました。本来、団体交渉は5月23日の予定だったにもかかわらず、 当日夕方に弁護士が参加できないことを理由にドタキャンしてきたのです。そもそも、弁護士は団交に出る義務はなく、古川マネージャーだけ出てこれば良かったのですが、それを拒んだのです。違法行為を助長させる悪徳弁護士など言語道断です。

この間の酷い対応も含めて、法で認められた懲戒制度を使い、弁護士懲戒請求をすることにしました。

議題は、①雇用契約書の内容②週44時間労働の妥当性③社会保険の未加入問題④謝罪要求でしたが、時間内に全てやりきれなかったので、7月6日(火)に6回目の団体交渉を行います。

就業規則がないのに「就業規則を適用する。」と記載されていることについて、過去のことは棚に上げ「前を向いてルールを作りましょう!」という始末。謝罪もなく反省の色が見えません。

さらに法人の頃、社会保険に加入していなかった違法な事実も認め、お金が無いから個人事業に切り替えて社会保険加入を逃れたことも暴露しました。

QBハウスに面接に行って採用されたはずなのに、古川マネージャーが社長だって!?後になってQBスタッフじゃなかったことを知り、QBスタッフと同じ福利厚生も受けられない。私たちは派遣労働者ではありません!

一体、どれだけずさんな労務管理なのでしょうか。一人ひとりの問題意識を集め、古川エリアで働く皆さんが一丸となって改善させていかなければならない問題です。

 

QBブランディングを無視した経営実態

「QBで働くメリットは手厚い福利厚生♪定年制もカット!社会保険にも加入できる!」………みなさん、実際はどうでしょう?いつも急に2万3万と賃金を下げ、それに付け加え65歳定年制まで強行し賃金を下げようと画策しています。また、今年4月に加入すると言っていた社会保険も、売上低迷を理由に加入しないと主張しています。社会保険に加入していないと、何らかの病気や怪我で仕事が出来ない時、傷病手当が出ないのです。こんなリスクを負わせて働かせておきながら、使い捨てるような待遇…本当に許せません。

また、労働者の残業手当を抑えるために、業界の特性を利用した手口(5月号参照)も発覚しています。これら全てのやり方は、働く人に対する侮辱でしかありません。

 

QB本部とエリア店舗の格差是正は喫緊の課題です!

会長に対し現場の実態を無視して「売上が低い、カット時間が長い」と言いつけ、西武東戸塚SC店への短期異動辞令を発するなど、人に対してやりたい放題です。こんなことを許してしまったら、古川マネージャーは更に調子に乗るだけです。就業規則も無く雇用契約書にも異動は明記されていません。さらにエリア店舗の売上の48%はQB本部に吸収されているという驚愕の事実も明らかとなっています。これではエリアスタッフの待遇は一向によくなりません!

同じ環境で働くエリアスタッフの待遇格差の是正は労評として全力で取り組みたいと思っています。

 

賃金を下げられた方、理不尽な待遇を受けた方、どんなことでもご相談ください!

 

労評と一緒に未払い賃金を取り戻し、安心して働ける環境を作りましょう!

 


【日本交通分会】”10分以上停車すると一律休憩時間!?” 労働基準監督署に申告


(三鷹労働基準監督署)

 労評東京都本部日本交通分会の活動について報告します。

労働基準監督署に申告してきました。

日本交通は、10分以上停車すると一律休憩時間としてカウントする自動日報システムを導入しています。

そのため労働時間であるタクシー乗り場での待機時間まで休憩時間としてカウントされてしまい、本来支給されるはずの賃金が不当に支給されないといったケースが生じています。

私たちは、当該自動日報システムを製造しているA社と、日本交通のトップが同じ川鍋一郎会長であること、また、業界団体のトップでもある同会長が、当該システムの普及に注力していることなどを問題視し、過去5回にわたる団体交渉において、「休憩ボタン」を導入し改善するよう強く要請してきました。

しかし、日交資本は「停車時間が10分超えそうな時は、タイヤを転がせば休憩時間のカウントはリセットされる」と、実態と異なる主張を繰り返し、リセットされる証拠も示さないまま放置してきました。

厚生労働省が「停車時間を一律に労働時間から除外して休憩時間とするのは認められない。休憩は労働から解放されていなければいけない。実態をみて判断し、指導を強化していきたい」と、見解を示しているにもかかわらずです。

ここまでの説明でお分かりの通り、日交資本は、この問題を自主的に解決する気が全く無いのです。

 

そこで、今回、私たちは労働基準監督署の監督官に直接法令違反の状況を申告し、指導するよう要請してきました。

監督官は「調査した結果、グレーだった場合は指導することができない」としながらも、「黒のケースが少しでも見つかった場合には指導する」と約束しました。

ただ、調査方法については明らかにしなかったことから、若干不安が残ります。

私達は「昔とは違い、現在はGPSや車内カメラなどを活用し、労働から開放されていたかどうかの判断や労働時間の管理は容易にできるようになった。僅かな停車時間でも一律休憩時間としてカウントする自動日報を導入している会社については、そろそろ改めさせるべきではないか」と、監督官庁の指導方針についても問題提起してきました。

 

労働基準監督官が「納金と洗車は20分」にダメ出し!

また、この話に関連して、監督官から次のような提案がありました。

まず背景から説明します。

日本交通は、タクシー乗務員の労働時間の管理を、タクシーに設置してあるデジタル日報でしか行っていません。
そのため、デジタル日報を開局してから閉局するまでの労働時間は一応カウントしているのですが、車両点検やアルコール検査などの開局前の始業時間や、納金、洗車などの閉局後の終業時間については、それぞれ20分と労働時間を固定していて実際にはカウントしていません。つまり、乗務している時間と、乗務していない営業所内での作業時間の合計である総労働時間を正確に把握していない事になります。

監督官は、今回私たちが提出した資料からその不正事実を即座に見つけ「労働時間が正確に計れないやり方では駄目だ」と現在のやり方を問題視。

監督官自ら「今回、一緒に調査しましょうか?」と提案してきたのです。

私たちにとって非常にありがたい提案でしたが、現在団体交渉で扱っている案件で、資本からの回答待ちという状況だったことから、「後日相談させてもらうかもしれない」と、一旦保留させて頂きました。

この主任監督官が私たちの担当者です。黒い箇所にはキッチリと調査のメスを入れて頂けることでしょう。期待して待ちたいと思います。


【日本交通分会】第6回団体交渉報告


(東京・紀尾井町 日本交通株式会社本社)

 

労評東京都本部日本交通分会の活動について報告します。

2021年4月26日、日本交通分会第6回団体交渉が行われました。
参加者は資本側から顧問弁護士、本社管理部部長2名、三鷹営業所所長、三鷹営業所次長の計5名。

組合側から顧問弁護士、労評役員2名、分会長、分会書記長の計5名でした。

またしても不誠実回答
「スタンド制限の長期的メリットについて説明する義務は無い」

日交資本は燃料費削減のため、価格の安いスタンドを指定して、そこ以外では給油しないよう乗務員に指導しています。

しかし、指定スタンドが営業所や繁華街から遠い場所にあるため、乗務員からは「仕事の効率が悪くなってトータルコストではマイナスになっているのでは?」と疑問の声が上がっています。当労組はそのことを検証するため、総走行距離や総給油量など7項目にわたるデータを、スタンド指定の通達を出す前後に分けて抽出するよう要求しています。

日交資本は「出せるデータについては出す」と一旦は約束しましたが、前回の団体交渉では「取引先に迷惑がかかる」と前言撤回し、取引先とは全く関係のないデータも含め、一切のデータの抽出を拒否しました。それが今回の団体交渉では一転、会社にとって都合の良いデータだけを口頭で説明し、「燃料費は削減できている」と主張。組合は「関連データも出してくれないと検証できない」と反論しましたが、「労働組合が会社と一緒に検証してくれなくてもよい」「延々と話しても答えは出ない」など、まともに答えもせずに開き直る始末でした。

また、組合が要請していた「スタンド指定の真の目的は乗務員の自腹給油にある」ことを立証するための実態調査についても、「指定スタンドで給油しないわずか1%の乗務員のために、全ての乗務員を対象としたアンケート調査をすると、他の乗務員の迷惑になる」と、まるで99%の乗務員はスタンド制限を支持していると言わんばかりの回答。

組合が妥結案として示した「帰庫時に燃料が半分を下回っていた場合は、会社に連絡することを条件に、指定スタンド以外で10Lまで給油しても良いとすること」および、「会社と連絡が付かない(会社から折り返し連絡が無い)場合は、事後報告でも良いとすること」についても、「都心で給油すれば問題ない」「満タン返しでなくても良い」「帰庫時に半分下回っていた時の10Lまでの給油は今でも認めている(帰庫遅れしそうな時だけ認めている)」「折り返し連絡を徹底しているため、事後連絡は認めない」と、一歩も譲歩する姿勢を見せませんでした。やむを得ず組合側が譲歩し「事前連絡はワン切りでも良いか?」と提案しましたが、「職員がすぐに対応できない場合がある」と、折り返し連絡の徹底が出来ていないことを自ら認める発言をすると、「これは乗務員に便宜を図るかどうかの問題だ」と、ついに本音を漏らしました。

資本は、スタンド制限の施策は経営判断だから労働組合が口を挟む問題ではないとの立場を維持するつもりのようですが、労働者に負担を強いるのであれば、経営判断の合理性について説明する義務があります。それが労働組合法第7条2号に規定された誠実交渉義務というものです。引き続き、資本に対しデータの抽出と自腹給油の実態調査を求めていきます。

 

乗務員の経費負担問題は改善する気なし!

国土交通省は「タクシー事業に要する経費を乗務員に負担させる慣行がある場合は改善すること」との通達を出しています。

また、第185回臨時国会でも同様の付帯決議が衆参両院で可決されています。

当組合は、これら国の方針を資本に示すとともに、長年放置されてきた「乗務員の経費負担問題」を改善すべく、次の3つの要求を資本に提出しています。

1. 乗客に嘔吐された際の処理負担について

組合側要求
『 乗客が嘔吐して営業を中断した際は、三か月分の平均営収を中断した時間分補償すること。また、営業に復帰できなかった際は、三か月分の平均営収との差額分を仮想営収として補償すること。』
この要求の趣旨は次の3つ。
① 清掃時間はタイヤが止まっているため、システム上、休憩時間としてカウントされてしまう。また、残業時間は修理手当が支払われない。所定時間内なら基本給で対応しているが、所定時間外(残業時間)については労働時間として認めないということなのか?この点について、会社側の見解を述べること。
② 嘔吐され仕事が出来ないのは、仕事をする意志があっても出来ない状態である。後始末をしなければならず、そのままの状態で次の人に渡す訳にはいかない。必要な処理を終えるまでは労働時間としてカウントしなければならず、カウントしない現在の取り扱いは、労働基準法上問題があるのでは?労務を提供しているのだからそれに対する賃金は支払うべきだ。(公出や適用除外※の場合、清掃中はタイヤが止まっているため休憩時間扱いとされてしまう)※最低ノルマ(足切り)未達のこと
③ 本来なら乗客が原状回復しなければいけないところ、会社が免除しているのだから、乗務員にツケを回すのは理不尽である。免除した原状回復費用は会社が全て負担すべき。

会社側回答
『 普通は所定内と所定外で区別している。所定内は労働義務があるため面倒は見る(修理手当は付ける)。所定外については自分の意思に基づいて労働するのだから、営業機会の損失について会社に責めがある訳ではない。そこは申し訳ないけど我慢してもらうしかない。そんなに頻繁にある話ではない。ましてや緊急事態宣言下ではなおさらだ。もし、あった場合は申告してもらえれば、たとえ残業時間帯であっても、清掃に要した時間は労働時間としてカウントする。』
この回答を噛み砕いて説明すると、「会社は残業や公休出勤を強制しているわけではない。嘔吐のリスクを負うのが嫌ならやらなければ良い」という意味です。これでは、国の方針である「タクシー事業に要する経費を乗務員に負担させる慣行がある場合は改善すること」を検討したことにはなりません。清掃に要した時間を労働時間としてカウントする点については評価できますが、私たちの要求はあくまで「損失補填」です。次回も引き続き議題として取り上げます。

2. 通信費の負担について

組合側要求
『 乗客と乗務員の個人情報の保護ならびに、事業に必要な経費を労働者に負担させる悪しき慣習を改善するといった観点から、会社側で乗務員との通信手段を確保すること。』

会社側回答
『 通信費はサラリーマンの必要経費である。また、現在は折り返し連絡を徹底している。忘れ物があったときの乗客と乗務員の個人情報の保護という点については、あくまで了解してくれた乗務員についてだけお願いする。困るという乗務員については、その場で乗客に届けるのではなく、営業所に持って帰ってきてもらって事後対応ということをやっている。乗客と連絡を取り合ってすぐに届けろというような強制はしていない。』

資本は、サラリーマンだったら通信費ぐらい負担するのは当たり前だと考えているようですが、まともな企業は情報漏洩対策として従業員にスマートフォンを貸し出すのが一般的です。また、乗務員に報告義務を課している以上、報告に際して必要な通信手段は会社が用意すべきでしょう。当面の対応としては、会社に「ワン切り」をして、折り返し連絡を待つしかなさそうです。
引き続き対策を検討します。

3. 帰路高速通行料の自己負担分について

日本交通では、乗客を遠方にお送りした帰りに高速道路を使用すると、通行料の一部を乗務員が負担しなければいけないケースがあります。当組合は、その際に負担した通行料について、領収書を発行するよう資本に要求しています。

組合側質問
『 乗務員が負担した帰路高速代の領収書は、なぜ発行できないのか?
なぜ民法486条が適用されないのか?法的根拠を説明すること。』

民法第486条(受取証書の交付請求)
弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。

会社側回答

『 民法486条は適用されると思う。ただ、現状をチェックしてみると、これまで「領収書を発行してください」という乗務員は皆無であることから、事実上「領収書はいらない」という黙示の合意があったと認識している。特段、違法なことをやってきたことも無い。今後の対応については、以前、組合側から「確定申告している乗務員もいるのだから、そういう乗務員のために領収書を発行してほしい」という要請があって、それが現実的に可能かどうか検討したところ、それに応じる理由は無いとの結論に至った。理由についてだが、まず、税務申告上、これだけのために領収書は必要ないと思われる。そのため、領収書を発行しないからといって、直ちに不当ということにはならないと考えている。仮に、確定申告をした税務署の方で何か調査が来た場合には、個別の対応として、過去そのような帰路高速の会社への支払いがあったのかきちんと調査して回答するので、ご懸念無きよう。今後の対応としては、領収書の発行が必要無いことを前提とした制度に、賛同してもらえる乗務員にETCカードの利用を許可していきたい。

 

回答の最後にある下線部分は、「今後は、領収書の発行を要求する乗務員にはETCカードを使わせない」という意味です。この発言は「民法を盾に領収書を要求する乗務員には不利益な取り扱いをする」と脅していることに他なりません。

資本は「帰路高速でETCの利用を認めているのは便宜供与にすぎず、領収書発行の手間など掛けたくないからだ」と反論していますが、配偶者が家計簿をつけている家庭では領収書は必須です。領収書が無ければ遊興費とみなされ、こずかいから出費する羽目になります。

民法に従い行動しない日交資本を皆さんはどう思われますか?

 

労基法違反の就業規則を撤廃しない経営陣

日交資本は多数派労組と結託し「10分以上の停車時間を休憩時間とする」との規定を就業規則に追加しました。しかし、この規定に則って労働時間をカウントすると、本来労働時間であるはずのタクシー乗り場や修理工場での待機時間が休憩時間としてカウントされていまい、不当に賃金が安くなります。この件は他労組も問題視していて、厚生労働省との交渉のなかで取り上げています。当局の見解は次の通りです。
「停車時間を一律に労働時間から除外して休憩時間とするのは認められない。休憩は労働から解放されていなければいけない。実態を見て判断し、労働時間を除外する仕組みがあれば直すよう指導を強化していく。」
当組合は、この見解を今回の団体交渉で資本に伝えるとともに、「規定の撤廃」と「休憩ボタンの導入」を要求しました。しかし、資本は「労基法に抵触する認識が無い」と回答。その理由として「地域、地方によって、お客さんの数や流れは全く異なる。東京のタクシー業界においてこの10分ルールというのは、適正な労働時間のカウント方法の一つとして十分許容範囲内である」と、労働時間を把握する必要性があることを挙げました。
この件については、色々と話し合いましたが平行線で進展が見られなかったため、持ち帰って、当局に指導要請する方向で検討することにしました。

 

未払い賃金に待ったなし!崖っぷちの日交資本が取った驚きの行動とは?

・公出手当の未払いについて
資本は前回の団体交渉で公休出勤時の賃金について未払いがある事を認め、労評員に対しては差額分を支払うと約束しました。そして今回、キッチリと根拠を示して回答して頂けるものと期待していたのですが、ふたを開けてビックリ。単純な計算ミスに加え、深夜割増分の計算漏れなど、引き伸ばすためにワザとやっているとしか思えない初歩的ミスの連続。やむを得ず、次回迄の宿題ということにしました。

・洗車時間分の賃金未払いについて
組合側要求・質問
① 組合が提供した、「終業時間の20分で納金と洗車ができるかを検証した映像」について感想を述べること。
② 本来、支払わなければいけない洗車時間分の賃金が未払いとなっているが、請求した乗務員に対しては支払う意向はあるか?
③ 「会社が洗車業者に支払う洗車料金を全額負担し、乗務員は洗車をせずに納金作業だけして帰ること」について、検討してもらえたか?

会社側回答
① 組合が提供した映像については、時間が無かったため観ていない。
② 終業時間の20分で納金と洗車ができていると思っているため、未払いは無いと考えている。
③ 未払いは無いと考えていることから実施しない。

資本は、終業時間の20分で納金と洗車ができると思う根拠について、次のように回答しています。
『 過去に労基署の監査に入られた際にこの件を指摘された。その際、乗務員にアンケート調査を行ったところ、ほとんどの乗務員が20分で納金と洗車ができていると回答した。その調査結果を労基署に提出し、問題なしとの判断になった。』
この件に関しては、資本から「次回の団体交渉までに、実際に作業した映像を確認して何らかのコメントはする」と約束してもらいました。コメント次第では労基署に映像提出することになります。

自分に甘く労働者に厳しい日交資本

・決算を官報へ公告することについて
決算については、会社法で全ての企業に公告義務が課されています。そのため、たとえ日本交通が非上場会社であっても公告するよう要請しました。

・決済端末の故障や乗り逃げの際の補償について
決済端末の故障や乗り逃げなどで乗客から料金を受領できなかった際の補償については、資本が頑なにルール化することを拒否したため、引き続き交渉していくことにしました。

・新型コロナウイルス対策について
コロナに感染すると重症化しやすい高齢者や持病持ちの乗務員には、働くか、雇用調整助成金を活用し休業するか、本人に選ばせることを要求しました。しかし資本は、前回同様、無線の配車率が落ちることを理由に拒否。人命軽視の経営姿勢を貫くようです。

 

日本交通の搾取構造を崩す!

日交資本は御用労組と結託し人件費を削減することに余念がありません。退職金の廃止、帰路高速通行料の乗務員負担増、お年玉の廃止、ワイシャツ支給の廃止など枚挙にいとまがなく、今現在もN型賃金の改悪に勤しんでいます。本来、資本が負担すべき経費やリスクを全て労働者に押し付け、菜種油を絞るがごとく搾取する。それが日本交通の実態なのです。利益というのは、労働力を搾取せずとも労働効率を高めることで最大化できます。そして、確保した利益は、株主、企業、労働者で適正に分配する。それがエクセレントカンパニーのあるべき姿です。日本交通が企業買収して大きくなる一方で、労働環境が悪化しているのは、適正に分配していないことの現れです。
日本労働評議会に結集し労働者軽視の経営姿勢を改めるよう日交資本に訴えていきましょう。

次回団体交渉の日程は調整中です。

・団体交渉の詳細につきましては議事録をご覧ください。

労評日本交通分会第6回団交議事録

・次回団体交渉の議題も添付しました。新型コロナワクチン接種や選択型DCについても取り上げています。参考になれば幸いです。

労評日本交通分会 第7回団体交渉 議題


【労評QB分会】組合だより Vol.3

労評神奈川県本部で取り組んでいるQB分会の活動を報告をします。



5月23日(日)第5回団体交渉が開催されます!

労評QB分会では、5回目の団体交渉を控えています。

要求内容は、4月号でも問題にした①「雇用契約書」の内容について、記載事項に大きな誤りがあることです。

更に、新たな問題として、②週44時間労働の妥当性③社会保険の未加入問題、さらに④謝罪要求の徹底と、交渉内容は盛りだくさんになっています。

就業規則がないのに「就業規則を適用する。」と記載されている雇用契約書は認められません!

さらに、古川マネージャーは組合員のいる店舗以外の店舗で、「就業規則を作った」と言い、検討もしていない就業規則を持ち出し、労働者代表の署名捺印を求めるという暴挙にでました。

就業規則の内容は非常に悪質で、賃下げを合法化するような内容ですから、求められても絶対にサインしてはなりません!

 

古川マネージャーによる勝手な賃下げ策動

恐れていたことが起きています。

古川マネージャーは自分がやりたいように、労働者の賃下げや、QB本部にもない定年制を設けようとしているのです。

黙ってサインしてしまったら、労働者の権利も生活も、どんどん奪われていくことになってしまいます。こんなことは断じて許せるものではありません!

本来、就業規則を作ったならば、労働者が内容を確認し、意見書を提出しなければなりません。

ですが今回、無理やりサインをさせ、労基署に通そうとしたのです。

呆れた話ですが、労評がなければ強行突破されていました。

 

週44時間労働に隠された理容美容業界の裏側

 

皆さん聞いたことがあると思いますが、労基法で定められている1週間の労働時間は40時間です。

それを超えた場合、必ず時間外手当を出さなければならないという法律になっています。

しかし理美容業界は特殊だから週44時間まで認められています。一体なぜだと思いますか?

この特殊の裏側には、労働法と労働運動の歴史がありました。

理美容業界は、徒弟制度を用いて、夜遅く、場合によっては次の日まで働くという環境を業界団体が整えてきましたが、それに対する労働運動が全くなかったのです。

現在まで長時間労働が是正されていない原因はここにあります。

 

週44時間は40時間に抑えるための猶予措置です

では、将来的にも週44時間が認められるかといえば、答えはNoです。

なぜなら、この制度は週40時間を実現するために設けられた猶予措置に過ぎず、44時間が合法だから自由に使っていいという制度ではないのです!

また古川エリアでは、その制度を適用するうえで必要な就業規則も作っておらず、44時間は認められないのです。

労評では、QB労働者用に向けた残業代計算システムを作り、一人につき1ヵ月あたり4~5万円の残業手当が奪われていることが判明しました。

奪われてきた過去の残業代の差額を要求し、適正な残業手当が支払われる環境を作りたいと思います!

 

労評と一緒に未払い賃金を取り戻し、
       安心して働ける環境を作りましょう!