日本労働評議会 高知県本部

【日本交通分会】”10分以上停車すると一律休憩時間!?” 労働基準監督署に申告


(三鷹労働基準監督署)

 労評東京都本部日本交通分会の活動について報告します。

労働基準監督署に申告してきました。

日本交通は、10分以上停車すると一律休憩時間としてカウントする自動日報システムを導入しています。

そのため労働時間であるタクシー乗り場での待機時間まで休憩時間としてカウントされてしまい、本来支給されるはずの賃金が不当に支給されないといったケースが生じています。

私たちは、当該自動日報システムを製造しているA社と、日本交通のトップが同じ川鍋一郎会長であること、また、業界団体のトップでもある同会長が、当該システムの普及に注力していることなどを問題視し、過去5回にわたる団体交渉において、「休憩ボタン」を導入し改善するよう強く要請してきました。

しかし、日交資本は「停車時間が10分超えそうな時は、タイヤを転がせば休憩時間のカウントはリセットされる」と、実態と異なる主張を繰り返し、リセットされる証拠も示さないまま放置してきました。

厚生労働省が「停車時間を一律に労働時間から除外して休憩時間とするのは認められない。休憩は労働から解放されていなければいけない。実態をみて判断し、指導を強化していきたい」と、見解を示しているにもかかわらずです。

ここまでの説明でお分かりの通り、日交資本は、この問題を自主的に解決する気が全く無いのです。

 

そこで、今回、私たちは労働基準監督署の監督官に直接法令違反の状況を申告し、指導するよう要請してきました。

監督官は「調査した結果、グレーだった場合は指導することができない」としながらも、「黒のケースが少しでも見つかった場合には指導する」と約束しました。

ただ、調査方法については明らかにしなかったことから、若干不安が残ります。

私達は「昔とは違い、現在はGPSや車内カメラなどを活用し、労働から開放されていたかどうかの判断や労働時間の管理は容易にできるようになった。僅かな停車時間でも一律休憩時間としてカウントする自動日報を導入している会社については、そろそろ改めさせるべきではないか」と、監督官庁の指導方針についても問題提起してきました。

 

労働基準監督官が「納金と洗車は20分」にダメ出し!

また、この話に関連して、監督官から次のような提案がありました。

まず背景から説明します。

日本交通は、タクシー乗務員の労働時間の管理を、タクシーに設置してあるデジタル日報でしか行っていません。
そのため、デジタル日報を開局してから閉局するまでの労働時間は一応カウントしているのですが、車両点検やアルコール検査などの開局前の始業時間や、納金、洗車などの閉局後の終業時間については、それぞれ20分と労働時間を固定していて実際にはカウントしていません。つまり、乗務している時間と、乗務していない営業所内での作業時間の合計である総労働時間を正確に把握していない事になります。

監督官は、今回私たちが提出した資料からその不正事実を即座に見つけ「労働時間が正確に計れないやり方では駄目だ」と現在のやり方を問題視。

監督官自ら「今回、一緒に調査しましょうか?」と提案してきたのです。

私たちにとって非常にありがたい提案でしたが、現在団体交渉で扱っている案件で、資本からの回答待ちという状況だったことから、「後日相談させてもらうかもしれない」と、一旦保留させて頂きました。

この主任監督官が私たちの担当者です。黒い箇所にはキッチリと調査のメスを入れて頂けることでしょう。期待して待ちたいと思います。