日本労働評議会 高知県本部

【日本郵便】非正規労働者への諸手当と権利を実現しよう!

(現場は万年人員不足。各郵便局では、年中人員を募集するのぼり旗が掲げられている)

労評で取り組んでいる、日本郵便の労働者への情宣活動について報告します。

10月28日労評は葛飾労組連の仲間とともに、銀座井郵便局で定例情宣活動を行った。

情宣する内容は去る10月15日に最高裁で判決が出た、非正規労働者の諸手当の件である。

ご存じように、最高裁は10月13日の判決では、メトロコマース事件と大坂医科大学事件については、高裁判決を覆し、退職金、一時金の支給を否定した酷い判決を下したが、15日の日本郵便に関しては、扶養手当、年末年始手当、有給の病気休暇制度などを認めた。

しかし、これらの手当の支給について、過去の遡って支給しなければならないが、裁判の原告には支払い義務はあっても、一般の非正規労働者には支払われない。

 

銀座郵便局でそのことを訴え、最高裁の判決を活かして支払い請求をするために、組合に加入する呼び掛けを行った。

すると、どうであろう。普段はせいぜい2~3人の職員が見回りに来るだけだが、この度の情宣活動に対して、総勢10数人の職員を動員し、見張り役をさせたのである。

仕事を放り出して、監視役に職員を回すほど異常な警戒ぶりを見ても、日本郵便が神経をとがらせていることが分かる。

このことは、日本郵便が非正規労働者の立ち上がりを恐れていることの証左である。

日本郵便の半数の労働者は非正規労働者である。

正社員は御用組合であるJP労組が組織し、非正規社員は10%程度組織するという方針であるから、郵政ユニオンに加入している労働者(約2000人)以外はほとんど組合に加入していないのである。

日本郵便はこの度の最高裁判決に非組織の非正規労働者が反応することを恐れている。法的に確定した事項だから、裁判の原告になっていない労働者が請求すれば過去の分を支払わなければならない。

経済的損失ばかりでなく、非正規労働者が立ち上がり、隷属の支配秩序が揺らぐことを恐れている。

いかに日本郵便資本が粘土の巨人であるのか、分かるであろう。

 

好機である。

日本郵便の非正規労働者に呼びかけたい。

労評は日本郵便の非正規労働者の問題、なかでも65歳定年制撤廃に向けて運動を起こしている。

ぜひ労評と連絡を取り、一緒に経済要求を勝ち取ろう!


【石川・加賀温泉郷】HMI(ホテルマネージメントインターナショナル)による「解雇」問題で4回目の団体交渉が行われました


(JR西日本北陸本線「加賀温泉駅」 温泉街は新型コロナにより大きな影響を受けるも少しずつ観光客が戻りつつある)

 加賀温泉郷(石川県)でのHMI(ホテルマネージメントインターナショナル)による「解雇」問題についての団体交渉について報告します。

9・16 第3回団体交渉の状況

前回、9月16日に石川県加賀市で行われた第3回団体交渉では、資本は6月1日に総支配人が休業に至るやむをえない事情や経緯、退職をお願いすることなどをきちんと説明しており、手続き上も問題はないと強弁しましたが、団交に出席した組合員からはまともな説明を受けておらず、真意で退職合意書に署名したのではないと主張しましたが、平行線で終わりました。

 

★HMI(ホテルマネージメントインターナショナル)闘争の状況は以前のブログでも紹介させてもらいました。

10・12 第4回団体交渉では、「解雇した」の証拠を突き付けて資本を追求

10月12日、HMI社との第四回団体交渉が行われました。

組合は証拠として、①6月1日の統括支配人が説明した録音テープ、②6月3日の個別面談の状況を陳述した組合員らの陳述内容を出しました。

6月1日の統括支配人の説明会での発言の中には、頻繁に皆さんを解雇するという文言が出てきます。

また自分は詳しいことは分からないので、本社から説明に来るのでそれを聞いて欲しいという発言も繰り返されています。

退職勧奨による合意退職という意味も説明していません。

そして、6月3日の面談では退職合意書の用紙を見せて説明をせず、西村人事部長が有休残数買取り金額と残りの賃金金額を電卓で計算して書き込み、その後退職合意書を始めて見せてすぐにサインさせた経緯も明らかになりました。

つまり、組合員の前には退職合意書は置かれてないわけです。

自分で書面を読める状態になく、金額を書き込まれた書面を出されてすぐにサインを求められるのです。

書面を確認しようもありません。

ある組合員はしばらくサインをためらっていると、「印鑑を押すことを強制はしません。でも前には進めませんよ」と言われたということです。

組合員は前に進めないということは失業保険がもらえなくなると思って、やむを得ずサインしました。

これが退職勧奨をお願いする態度でしょうか。

明らかに組合員らを騙してサインさせたものです。

 

資本は逃げ口上を述べるも、「持ち帰って検討する」と回答

これだけ十分な証拠が揃っていながら、西村人事部長はなおも厚顔無恥にも、「私は統括支配人からちゃんと説明したと聞いています」と逃げ口上を述べました。

面談でも書類を渡していないことを認めながら、書類が見えるように説明したと言い訳し、リモートで現地から参加した組合員から嘘を言うなと激しい抗議を受ける始末です。

団交に参加した指宿弁護士からも「最高裁判例にあるように真意に基づかない契約は無効との判断が出ている」ことを突き付けられ、沈黙せざるを得ない状況に追い込まれました。

資本側の弁護士も防戦一方で、団交団から「西村人事部長では話にならない、弁護士の役割を果たすべきではないか」と迫られ、ウーンと言うしかない状態でした。

組合員らはこれから先も社長と直接談判に動く決意をしていること、これから記者会見を開いてマスコミに訴えることなど組合の姿勢を突き付け、また裁判をやれば勝てると考えているが、そこまで問題を大きくすることが会社にとって良いことなのかよく考えるべきだと述べました。

その結果、第4回目にして会社は持ち帰って検討するという回答をしました。

もちろん、本当に真剣に検討するかどうかわかりませんが、次回団交を10月29日とし、連続的に協議することを確認しました。

リモートで現地から参加した組合員も、会社の姿勢については不信感を強く持ちながら、一歩前進と感じています。

会社に責任を取らせるために、引き続き団結の力で扉をこじ開けていくことを確認しました。

団交の後に、厚労省記者クラブで記者会見を行いました。

コロナ禍での労働争議として取材をしてもらいました。また、加賀市の現地に集まったマスコミからは継続して取材を受けています。

 

コロナ禍にあって、労働者を一方的に使い捨てることは許されない

観光業はコロナ禍で多大な打撃を受けている産業の一つです。

しかし、雇用調整助成金もまだ使える6月1日の段階で、一方的に休館、解雇を決め雇用の維持に努力せず、解雇にあたっては退職勧奨という意味さえ知らない労働者の無知に付け込み、訳も分からないまま退職合意書にサインさせたことは、騙し討ちに近いものと思います。

労評はコロナ禍における重要な労働紛争として、引き続き取り組んでいきます。


【トライ春日PA分会 】【ミニストップ】 第3回団交報告

労評宮城県本部で取り組んでいるトライ春日PA分会の団交報告です。




【第3回団交が9
/9に開催されました】




団交には約束通りオーナーが出席しました。


要求と回答


    休業手当について。

 実際に手続きを行う労働局と相談したところ柔軟に対応する方向で検討するとのことで、改めて労働局と相談しながら、できるだけ休業手当が支払えるように努力するという回答になりました。国の助成金申請の締め切りが9月末なので、9月いっぱいで、休業手当の支払いができるかどうか明らかになります。


    オーナーの理念について

 オーナーからは「一生懸命まじめに汗をかく人には、トライはいい会社だと思ってもらいたい。いい店をつくりたい。」「そのために、一生懸命働く人には時給を上げたり、パートから正社員登用をしたり、核になる社員を育てるなどしている」など、回答がありました。 

 そのためにどんな教育システムがあるのか?と質問すると「現場のことは店長に任せている。店長が能力のあるパートから育てて登用している。」「決まった教育マニュアルなどはない」「正社員になったらオーナー自ら直接見ることにしている」というもので、理念を実現する仕組みは事実上ないことが明らかになりました。






【なぜ理念を問うのか?】


組合が理念を問うのは、本来、企業理念に基づいて会社経営し、理念の実現を目指して働くからです。理念が分からなければ会社の目標が分かりません。そのため、働く目的も、個人的な理由か、時給のためだけにしかなりません。

 本来、コンビニ労働は社会インフラを支え、災害時でも物資や情報拠点となるなど重要な社会的価値があり、その労働は尊いものであるはずなのに、ここの労働者はそのことも分からないまま、ただお金をもらうために仕事を回すことしか考えられない状況に置かれてしまっているのです。これでどうやって意欲を持って働けるでしょうか?


 


【労働者は会社を支え、組合が変えていける】


 結局、最も重要なことは、理念と別のところで、労働者が現場で日々の仕事を支えているから会社は回っているのです。オーナーの理念はただの言葉で、実際に利益を会社にもたらしているのは、労働者の力です。そして、会社の仕組みを作り変えていけるのは、労働組合です。今回の団交がなければ、そもそもオーナーの考えている理念さえわからず、形だけの店舗運営がなされたまま、労働者も働く意欲を持てないままだったでしょう。組合があるからこそ、オーナーの考えを引き出し、会社経営や店舗運営をどうしていけばよいのか検討し、交渉していくことができます。





【日本交通分会】分会結成大会を開催

 労評東京都本部で取り組んでいる、日本交通分会の報告です。

去る9月27日、日本労働評議会(労評)日本交通分会の結成大会が三鷹市の野崎地区公会堂で開催されました。

この日の結成大会には、労評中央執行委員会の中里好孝副委員長(東京都本部委員長)、神奈川県本部から鳥生克也委員長、労評産別交運労から田中正基委員長、労評顧問の指宿昭一弁護士、階級連帯の石川雅也氏(龍生自動車・解雇事件原告)が駆けつけ、千葉・茨城合同県本部の工藤隆史副委員長はZOOM(web会議ツール)で参加しました。

大会は、東京都本部の久保春恵氏の司会で午後1時に開会。

経過報告では、高橋聡分会長が「指宿弁護士との出会い」「労評への加入」「企業内労組の改革」と、3年間の軌跡を紹介し「コロナ禍での資本との闘い」をきっかけに労評の一人分会建設を決意したこと、そして、労評の運動方針に共感した仲間が複数名集まったことから、結成大会を開催する運びとなったことを報告しました。



経過報告を受け、中里氏は「産別労組としての中核的な役割も果たしてもらい、日本交通のみならず、タクシー業界、さらには日本の労働運動の発展のなかで貢献していける分会に成長、発展してください」と、激励の挨拶を行いました。

工藤氏は「反修正主義を掲げ資本や御用労組と闘い、階級連帯し問題解決に取り組んでいこう」と、結束力を高める挨拶を行いました。

鳥生氏は「資本から、どうせ運転手だから労働環境が悪くても仕方がないと思い込まされている。作られた秩序の中で声を上げられないでいる。そんななか、労働者としての誇りを持って立ち上がった皆さんは素晴らしい」と、分会結成を宣伝していくことを約束しました。田中氏は「労評は、コロナ禍で売り上げが下がった結果を労働者に押し付ける資本と徹底して闘い、労働者を一斉解雇したリムジン資本からは解雇撤回、事業再開、休業補償を勝ち取りました。交通運輸業界で働く労働者の階級利益を守るため、ひいては他の産業で働く全ての労働者のために、相互に支援、連帯し総労働の闘いをしていきましょう」と、労評と修正主義労組のコロナ禍での対応の違いを解説し、共に、日本の労働運動で存在意義を示していくことを呼びかけました。  

指宿氏は「タクシー業界は特有な搾取の構造がある。既成の労働組合は、このことを分かっていながら、この搾取構造と闘わず、むしろ、会社と共に搾取構造を守ることすらあった。分会員の皆さんは、労働者の利益を守る、業界大手である日本交通の歪な搾取構造を崩す、御用労組を崩す、そのことを多くの労働者に伝えていく必要がある」と、自らが担当したタクシー会社の残業代未払い裁判の経験から分会組合員の使命を力説しました。

その後、階級連帯のご祝辞として、産廃業界からタカサゴ分会、リフォーム業界からスリーエス分会、交通運輸業界からロイヤルリムジン分会からお祝いメッセージを頂き、これが読み上げられました。

 

議案提案及び討議・採択では、分会綱領(案)、分会規約(案)、交通共済会規定(案)、運動方針(案)、活動方針(案)、予算(案)、ストライキ権の確立と、すべての議案について審議を行い、可決されました。

また、同日実施された分会役員選挙でも、すべての候補者が信任されました。

改めて分会長に就任した高橋氏は「労評の名に恥じぬよう、資本からの圧力に屈することなく、全労働者の利益のために分会員一丸となって闘っていきます」と決意表明し、書記長として新任した棟方氏は「分会、交運労、労評のすべての活動において貢献できるよう尽力します」と挨拶しました。

最後は、高橋氏の「階級連帯、頑張ろう!」の突き上げで大会は幕を閉じました。


【トライ春日PA分会】 【ミニストップ】 第1~2回団交報告

労評宮城県本部で取り組んでいるトライ春日PA分会の活動を報告します。

【組合ができてからの変化】
 613日に組合ができてから2週間ほどのうちに、これまでにはなかった変化が起きました。契約書がきちんと交わされたこと、就業規則が従業員にわかるように示されたことです。
 これらは法律でも定められた当たり前のことなのですが、店がオープンしてから何年ものあいだ実施されてこなかったことなので、突然の激変と言えます。

 

【第一回団交(7/3)】
会社側からは、営業部長、総務・労務担当の主任、代理人の弁護士2名が出席しました。

要求と回答

休業手当について
 従業員について休業手当の必要な対象者がいるのか再調査し、該当者がいるのであれば休業手当と助成金についての手続きを行う、とのこと。

民主的な秩序形成について
 組合から、店舗の方針が見えないこと”“現場における発注などの体制が明確でないこと”“正社員における情報共有がなされていないことを問題提起し、今後前向きに検討していく方向で話し合いが持たれました。

組合員Fさんの契約書について
 会社は、3年契約の有期雇用の契約書は誤りであり、正社員としての地位であることを認めました。

その他 契約書の更新と就業規則について
 従業員全員の契約については、これまでは契約書がなかったこと、今回急に契約書が渡されはしたもののオーナーからの直接の説明はなかったこと、を会社は認めました。今回の契約内容について疑問があれば受け付けるとの回答です。
 就業規則については、これまで会社にあったものを店舗に置くように改善したとのこと。

 

【第二回団交(7/22)】
要求と回答

    新型コロナの影響による休業手当の支払いについて
 休業手当の支払いに該当する人(4割以上の減給)はいなかった
との回答でした。いれば10割の給付を検討している、とのこと。
 組合からは、10割給付を検討しているならばたとえ2割減3割減であったとしても10割の給付を行い、国の助成金の申請を行うべきであることを主張しました。さらに、休業手当について会社が、助成金の活用や10割給付を検討していることの背景にある経営者の考え方経営理念などを聞きたいと要望しました。それに対しては、「次回の団交にはオーナーが出席して回答するようにしたい」という返答が得られました。

    職場における民主的な秩序形成について
 会社としては、ノルマによる自爆営業などにより従業員に負担をかけないために、売り上げ目標は提示していないとの回答でした。しかし、方針については必要なので、組合の意見に基づき、ボードを設置して方針を周知できるようにしたとの回答がありました。

Fさんの契約書と労働条件の交渉について
 契約書を提示してもらい、改めて今後の労働条件の交渉について進めることを確認しました。個人の交渉では限界があるため、労働者の生活を守り、職場の民主的秩序を形成して、働きやすい職場とお客様の要望に応えることのできる店づくりを進めるためにも、労働組合が必要と言えます。


【休業手当についての回答(8/12)】
 雇用調整助成金をつかった休業手当については、第2回団交のあとに回答があり、「所定労働日数の40分の1という要件を充たすことができないため支払いはできない」ということでした。しかし、今回のシフト削減は、使用者の「責めに帰すべき事由」(民法5362項)に該当し、会社はシフト削減分の賃金を支払う必要があります。
 使える助成金制度があるから使うのはもっともなことですが、しかし、大事なことは、もし使える助成金制度がなかったと仮定したとき、会社は休業手当を支払うでしょうか?ここに、本当の経営者の考え方があります。コンビニ労働に本当に価値を見出し、労働者の生活を守ることを考えているのならば、助成金を活用せずとも、若干の勤務時間の減少であるならばシフト削減分の賃金を支払うべきです。