日本労働評議会 高知県本部

7月13日、東北大第1回団交が行われました!

労評宮城県本部の活動を報告します。


レポート不受理の理由は何なのか?副学長に問う

 令和3年7月13日、第1回団交が行われました。

 大学側は副学長や理事など総勢10名程度が参加し、労評側もTさんのほか役員や他の組合員が参加しました

 この当時のTさんは、上司である副学長に、研究計画や研究レポートを提出しても受理してもらえないという研究の妨害・アカハラを受けた上、“研究レポートを提出しなかった”という理由で懲戒処分を受けるなど、一方的に処分が進められており、研究ができる状況ではありませんでした。

そこで今回の団交は、労評が副学長と直に話す初めての機会でもあったので、研究の妨害やアカハラに見える副学長の言動の意図を聞いていくことを方針としました。

労評としては、副学長の言動には悪意がある、指導の形を借りたアカハラである、という見解があるため、その裏付けとなる発言を引き出して、これ以降の闘争をより強力に進めたいという作戦でもありました。ただ、もしTさんと副学長のただのすれ違いだったと明らかになるならば、この団交を機に、研究が円滑に進むようになればそれで良いのです。

レポート不受理の理由ははぐらかし、全て無かったことにしようとする

 団交の場では、労評側から方針に沿って、研究の計画やレポートが不受理な理由や具体的に内容をどのように改めればいいのか、などの質問を副学長に投げかけていきました。

 ところが、副学長は、労評からの質問に対して明確な回答をしませんでした。

そして、ここまで散々、研究の計画書やレポートを受理せずに跳ね除けてきたところから一転して、「ジャーナルに論文を投稿しさえすれば、この間のレポート提出の件についてはこれ以上問いただすことはしません。」という妥協案を提案してきたのです。つまり、これまでのことは無かったことにしようというのです。

本当にTさんのための妥協案なのか?

 副学長の言い方は「レポートを提出しなかったTさんを、特別に許してあげよう。」といった様子であり、一見するとTさんのための妥協案にも見えます。

しかし、実際は、Tさんがレポートを提出できなかった原因は、副学長が作り出したものです。大学側が雇用契約と整合する形で、はじめからきちんと研究にあたらせていれば、Tさんは意図したような研究もでき、レポートも提出でき、適応障害を患うこともなかったのです。

副学長が自分で蒔いた種なのだから、自分で対応するのは当たり前のことであり、「悪いことをしたTさんを許してあげる。」というのはおかしな態度です。むしろ、なぜ真っ先に「自分のミスのために、研究をさせてあげられなくて、病気にまでさせてしまって、申し訳ない。」と謝罪する気にならないのでしょうか。

研究できなかった時間は取り戻すことはできず、壊れた心身は簡単に元には戻りません。Tさんには、無かったことになどできない現実があるのです。副学長はそれはまったくわかっていません。

 

東北大のハラスメント体質

副学長は肝心の質問にきちんと答えず、受理する気がないレポートを提出させ続けたことに悪意があったのかどうかは、明らかにはなりませんでした。

しかし、「これでいいでしょ。」と言わんばかりに、何の解決にもならない妥協案を出してきて偉そうにしているところを見ると、副学長が若手研究者の人生をないがしろにしていることは明らかです。

研究者には、研究をして社会に貢献したいという面と、働いて生活していかなければならないという面があり、どちらも尊重されるべきものですが、副学長はその両方を踏みにじり、自分が出世するための、踏み台にしていると言えるのではないでしょうか。 

実は、東北大でハラスメントにあったという事例はTさん以外にも数多くあるため、これは副学長個人の問題というわけでなく、東北大の体質の問題であるかもしれません。労評では、同じような目に遭っている研究者の方々のためにも、Tさんの事例だけではなく広く目を向けて取り組んでいきます。

東北大の教職員の方、学生の方でハラスメントにお悩みの方はいませんか?相談を受け付けますので、ぜひ抱え込まずにご相談ください。