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新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、労働者の生活は大きな打撃を受けています。
労評でも相談ホットラインを開設し、相談を受け付けていますが、タクシー関係の労働者などを中心に多くの相談が寄せられています。
前回に引き続き、労評に寄せられ相談事例と、対応方法をQ&A方式で紹介していきます。
前回のブログ記事はこちらからどうぞ。
同じような状態で、対応に困っている場合の参考にしていただき、また、会社との交渉など、具体的な対応が必要になってくる場合は、ぜひ労評にご連絡ください。
ケース① 新型コロナウイルス感染拡大防止を理由にシフトを減らされたが補償はないのか?
相談事例
シフト勤務で働いていますが、緊急事態宣言発令によって職場が行政から営業自粛要請を受けて、休業に入っています。私は休業補償してくれと会社に相談しましたが、「シフト勤務の人は、シフトが入っていないのだから補償は受けられないことになっているから」と言われ、断られてしまいました。このままの状態が続くと生活ができなくなってしまいます。どうすればよいでしょうか。
<解決方法・対応例>
「シフトを減らされた分の賃金支払いを求めることが出来ます。」
会社が休業に入った場合と同様に、減らされたシフト分の賃金全額の支払いを求めることができます。
労評では実際に上記の相談事例について、会社と交渉を開始しています。
参考:ホテル清掃請負会社C-TEC株式会社との交渉を開始
ケース② 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、「解雇する」と言われらどうすればいいか?どんな補償があるか?
相談事例
会社から「新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、売り上げが上がらず、会社を閉めざるを得ない。解雇という形を取らせてもらい、いずれまた必ず再開するので、そのときに再雇用します」と言われ、書類にサインを求められ、よく分からないまま署名してしまいました。あとから考えると納得がいかないのですが、もう手遅れなのでしょうか?
<解決方法・対応例>
「新型コロナの影響があっても、労働者を簡単に解雇することはできません。撤回を求めて争える可能性があります。」
まず、労働契約法では、使用者は労働者を自由に解雇することはできず、正当事由(客観的合理的理由と社会的相当性)が必要です。正当事由がない解雇は無効です。
「会社の売り上げが上がらず会社を閉める」というような場合は「整理解雇」に当たります。
整理解雇の場合は以下の4つの要件(要素)が満たされないと一方的に労働者を解雇することはできない厳しいルールがあります。
① 人員削減の必要性があること
② 解雇を回避するための努力が尽くされていること
③ 解雇される者の選定基準及び選定が合理的であること
④ 事前に使用者が解雇される者へ説明・協議を尽くしていること
これらの点について、会社が納得のいく説明をできない限り、解雇は無効です。
確かに、中小零細企業では、新型コロナウイルスの影響を受けて、厳しい経営状況に陥っているところもあると思いますが、それであっても簡単に労働者を解雇することは許されません。
突然言われた解雇で戸惑うことが多いと思いますが、納得がいかない、合理的な説明がない場合は労働組合に加盟して、会社と交渉をすることができます。
この場合、一度書類にサインをしてしまっても、本人の納得した意志でない場合は、撤回を求めて争うことが出来ます。
また、もし仮に上記4つの要件(要素)を満たして使用者が解雇する場合、「労働者に対して30日以上前に告知するか、解雇予告手当を支払う必要がある」と労働基準法20条1項で定められています。これについても会社に請求をすることができます。
参考:ロイヤルリムジン株式会社に「解雇撤回」を求め、団体交渉申し入れ!
新型コロナの影響による労働トラブル、諦める前に労評へ相談してください!
労評は、1人からでも加盟することのできる労働組合です。
個人で会社と交渉してもなかなか解決できない問題も、労働組合を通して交渉することで解決を目指し、闘っていくことができます。
社内にすでに労働組合があっても何も対応してくれない、また対応に不満がある場合なども、労評に加盟して、交渉を行うことも出来ます。
諦める前にまずはご相談ください!
労評高知県本部へのご相談はこちらへ!